アマチュア無線の楽しみ方、面白さ、魅力、楽しさとは?
アマチュア無線の何が面白いのか?楽しいのか?
アマチュア無線の楽しみ方は、キャンプやサイクリングのように「不自由さ」を楽しむことに通じております。
ここでは、アマチュア無線の魅力やその楽しみ方について詳しく解説してみましょう。
1.アマチュア無線趣味とは?
その前にアマチュア無線の簡単なご紹介をいたしましょう。
「趣味の王様=King of hobby」と呼ばれ、世界中にファンがおります。
運用者は局長さんとして、世界で通用する唯一のコールサインを付与され、国内外のファンと電波を通して手元の無線機から交信することが可能です。
「アマチュア無線技士」という国家資格のため、資格試験があります。資格のグレードは第4級~第1級の4段階。主に送信出力が大きくなります。
まずは第4級(4アマ)から取得してみましょう。各地で講習会もあり、4アマ/3アマの講習会での合格率は95%(出典:JARDサイトより)だそうです。
それでは、具体的に「不自由を楽しむ」ことを説明していきましょう!
2.アマチュア無線と「不自由を楽しむ」哲学
(1)キャンプの楽しさ
まずはキャンプのお話です。
わざわざ火を起こしたり、持ち物を工夫したりと手間が随分とかかります。自宅で調理をすれば済むことですし、コンビニやレストランに行けば簡単に食事ができるにもかかわらず、です。
それでも多くの人がキャンプを楽しむのは、「あえて制限された不自由な状況の中で、自分の力で何かを成し遂げる」という達成感があるからではないでしょうか。
(2)サイクリングの魅力
続いてサイクリングも同様です。
電車や車で簡単に移動できるのに、自分の脚で峠を登ったり、長距離を走ったりするのはなぜでしょう。それは「困難な状況の中で得られる達成感に価値がある」と感じるからだと思います。
3.人はなぜ不自由や困難を求めるのか?
私の仮説ですが「人間の日常生活が便利になればなるほど、趣味の世界では<不自由さ>を求める性質がある」のではないでしょうか。
これは、人間の精神的なバランスを取るための無意識の行動かもしれません。
制約や困難といった「不自由さ」乗り越えることで得られる達成感によって、日常の便利さから開放された人間らしさを取り戻す、それが趣味の醍醐味だと思います。
4.不自由や困難という制約が心を燃やす!
趣味以外でも、スポーツもそうです。
サッカーは腕が使えませんし、バスケットボールは脚が使えません。ボクシングもそうですし、レスリングのグレコローマンスタイルは相手の下半身は掴めません。
制約があるから、私たちの心は燃えるのです。
5.アマチュア無線の「不自由」とは?
(1)現代の便利さと対比する不自由さ
それでは、電話やインターネットで簡単に世界中と繋がる時代に、アマチュア無線はどのような不自由を楽しむのでしょうか?
例えば次のような例はいかがでしょうか。
- 環境の制約:仮にあなたが第2級アマチュア無線技士(上から2つ目の資格です)を取得し、送信出力200Wの大きなパワーを手に入れたとします。しかし、あなたはマンションの1階に住んでおり、大きなアンテナを立てることが出来ません。小さなアンテナも管理組合から美観の観点から却下されてしまいました(実話です。多いお話です)。
- 技術的な制約:あなたは運良く、それなりのアンテナを立てることができました。しかし部屋の電子機器のノイズが混入して、クリアな受信が出来ません。
- 資金や家庭の制約:そもそも、あなたは家族から趣味を反対されています。高価な機材にお金をかけるなら、家族にもっとお金と時間を使って!と言われてしまいました(稀に耳にします)。
(2)不自由さを楽しむ方法
こうした制約の中で、アマチュア無線愛好者は様々な工夫を凝らします。
例えば・・・、
- マンションのベランダから、家族の寝た夜中だけ釣り竿アンテナを出し入れして運用してみよう。
- 自宅では無理だから、車やバイクに無線機とアンテナを積んで、山や川辺に出かけて運用しよう。
- いっそ1Wの低出力(QRP運用といいます)で、どこまで通信できるか野外で試そう。
- 小型のハンディ機をポケットに忍ばせて、会社帰りのいつもの歩道橋の上からCQを出してみよう。
そのために適切なアンテナはどうしよう?そのマッチングは取れるのかな?どんなロケーションが良いか調べなきゃ?CW(モールス信号)を覚えてみよう、流行りのFT8(パソコンと連動したデジタルデータ通信)に挑戦してみようかな…。こうした工夫が楽しみに繋がります。
もしあなたがお金持ちで、100万円クラスの無線機を何台も持ち、周囲に何も無い平野に巨大なアンテナを建て、1KWの超ハイパワーで運用したところで、交信できるのは当たり前です(^^) でも、おそらく1ヶ月で飽きてしまうと思いません?
6.困難を乗り越えた先の喜び
アマチュア無線では、どんなに高価な機材を使っても環境が悪ければ成果が出ません。
しかし、そうした困難を乗り越えて、相手の声がスピーカーから聞こえた瞬間や、自分の電波が相手に届いた瞬間には、言葉にできない喜びがあります。
7.仲間と広がる楽しみ
アマチュア無線を続けるうちに、仲間が増えていくでしょう。
いつも交信する相手と毎日の定時通信で近況を話しあったり、知り合った仲間と一緒に屋外での移動運用を楽しんだりと、楽しみがどんどん広がります。
また、一定時間内の交信数を競う「コンテスト」や、特別な記念局との交信(例:ハムフェア期間中の特別コールサイン8J1HAM局が有名です)といったイベントもあります。そして、自作の無線機で楽しむことも可能です!(申請が必要です)。
このように、自宅や自分のサードプレイスからでも世界中の人と繋がれる感動が、アマチュア無線の醍醐味です。
8.アマチュア無線の未来
アマチュア無線の魅力は外からは見えづらいものです。
だからこそ、子どもから大人まで、多くの人が体験できる機会を増やし、この楽しみを共有して未来へと繋げていきたいものですね。
9.アマチュア無線をはじめてみよう!
いかがでしょうか。少しでも興味を持っていただけましたか?
ちなみに筆者(高山無線の店長)は自宅ではアンテナが建てられない為、車で運用しております。車でアンテナをマッチングさせるのも大変ですし、ロケーション選びも工夫します。送信出力も50Wです。それでも十分に楽しいですよ!
まずは、日本アマチュア無線連盟(JARL=The Japan Amateur Radio League)のWEBサイトをご覧になってください。そしてようこそ「KING OF HOBBY アマチュア無線の世界」へ!
(追記)
雑誌としては『CQハムラジオ』(CQ出版社)という月刊誌があります。ぜひお手元でお読みになってください♪
執筆 高山無線・店長
趣味に乾杯!
■The interview
●JA1CCT 新井幸男氏
●小山ハムセンター訪問記(公開終了)
※このコーナーではご登場頂ける方を募集しております。自薦他薦は問いません。無線やラジオが大好き!という方をお待ちしております。フォームよりお気軽にご連絡下さい。
■雑誌あれこれ
●月刊短波
-1983年7月最終号の目次と挨拶
●アマチュア無線用送信機(電波技術社/昭和36年)
-目次
●魅惑の軍用無線機&軍用無線機入門 対比表
-掲載型式の対比表です。
■カタログ&グッズ
●追憶の無線機メーカー
●ナショナルRJX-601のカタログなど
●杉山電機製作所 F-850カタログ
●アジア通信工業 R-535 パンフレット
■コラム
●ヤフオクに便利?IC-706、MK2、MK2Gの違い
●アマチュア無線の楽しさとは?
■メモ
●TS-790各送信出力の違い
●FT-857の新スプリアス技適番号
■店主のページ
●Let's HFモービル!