技術者のご紹介
弊社で整備・修理を行う技術者をご紹介致します。
※只今修理のご依頼はお受けしておりません。
(自宅マンションのアンテナ。
運用にFBな最上階のベランダからは、ジュラルミンポールで固定したHFのV型ダイポール、V/UHFのGPが顔を覗かせます。)
<はじめに>
高山無線の技術部門では、買取させて頂きました無線機やBCLラジオを修理・整備をしております。今回はその責任者の自宅に訪問し、
皆さまへのご紹介も兼ねてインタビュー致しました。
インターネットという画面を通してになりますが、少しでも弊店を身近に感じて頂ければ幸いです。
(なお著名な方の為、コールサインや本名を公開致しますと、局名録等で直接のお問い合わせが発生する可能性もございますので、今回だけは弊社の判断で本名等を非公開とさせて頂きました。ご了承下さい。また本人へ直接のお問い合わせはお控え下さい。)
<JA1コールのGさん>
名前はGさんと致しましょう。資格は1アマ、群馬県出身で昭和24年生まれ、今年で御年66歳です。16歳の時に免許をとられてから、今年で無線歴50年となりました。ベテランのOMさんですね。
かつても某ショップからの修理を請け負っており(現在は弊店専属です)、その豊富な経験と的確な知識で、弊店も大変頼りにしております。
(今でも大切に保管された当時のCQ誌。通信販売で部品を買っては、自分で組み立てていました。)
(電波高校時代の和文・欧文の通信術の練習帳。今でも大事にお持ちでです。)
<昔の思い出>
子供の頃からラジオ少年だったGさん。当時はクズ屋さんから古いラジオなどを調達して組み立てておりました。
初めての既製品は中学クラブ局でのトリオTX-88A。当時の中学生には高嶺の花でしたが、ちょうどコール持ちの顧問の先生がおり、その先生の尽力で学校に導入することが出来たそうです。
その後、船舶の通信士を目指すために国立の仙台電波高等学校へ。しかし海運業界が不況に見舞われてしまい、卒業後は大手電機メーカーへ就職。専門知識を活かし、回路設計に携わりました。
<自作とSSBモービル>
かつてはHAMライフ誌等に製作記事も書かれた筋金入りの自作派なのです。はじめてメーカーの既製品を入手されたのはトリオのTS-830。1980年発売の機種ですから、ずいぶん後になりますね。
写真は測定器のケースを利用して自作した3.5/7MHzのSSB/CWトランシーバ(10W)。フロントパネルのレタリングも完璧です。
そしてアメリカや欧州など海外を含め各地への転勤も多くなり、固定局以外で運用する方法として、3.5MHzでモービルも開始しました。先のSSB自作機も愛車スカイラインGTに搭載していたそうです。その後7MHzへ移行し、モービル局の多い7099KHzで運用を開始。「7099」の大会にも1975年の第7回大会から参加しております。
※「7099」とは・・・、ザ・サイドワインダーズ・アソシエーション(JA1AEA鈴木肇OM)等のメンバーが始めたSSB実験用の周波数に由来します。AM全盛の当時、黎明期だったSSBでは、モービルでも、当時のバンドエッジから1Kc下がったところで(実験的な意味合いもあり、AMに迷惑にかけないよう)7099Kcで運用をしておりました。(『JA1AEAの自傳的アマチュア無線史 (パレードブックス/2015年)』からも参考にしました。)
※「7099」とは・・・、ザ・サイドワインダーズ・アソシエーション(JA1AEA鈴木肇OM)等のメンバーが始めたSSB実験用の周波数に由来します。AM全盛の当時、黎明期だったSSBでは、モービルでも、当時のバンドエッジから1Kc下がったところで(実験的な意味合いもあり、AMに迷惑にかけないよう)7099Kcで運用をしておりました。(『JA1AEAの自傳的アマチュア無線史 (パレードブックス/2015年)』からも参考にしました。)
その後、7099KHzで話す局長さんが自主的に親睦会を開き(近年は年に1回)、第1回大会は昭和1972年の春に開催。G氏が初めて参加した1975年の第7回大会では250-300人の局長さんがおられました。昨年(2015年現在)でも260名程の局長さんを確認されているそうです。勿論クラブ局では無いので、特に会則などはありません。皆さんも是非CQを出してみて下さいネ。
<現在のシャック>
シャック全景。ここで修理も行います。ボール盤などの工作機械は別室にて。
真空管など品切のパーツ類はもちろん、コリンズ用のブリストル・レンチやJRC用の基板調整治具といった特殊工具から、各メーカーのサービスマニュアルまで、一通り揃っております。
HFのメイン無線機はTS-950SDX。バンドスコープのあるSDRトランシーバ(キット)は手放せないとのこと。右側JRCの改造リニアの上にはRACAL RA6790/GM。メモリーは無いが忠実度が高くモニタリングに活用。マイクはアンプとミキサを通してそれぞれの無線機に分配されています。
ロックウェル・コリンズのKWM-380から派生した業務機HF-282(改)。20年程前に入手し、HF-282自体珍しい機種の上、更にチャンネル表示を周波数表示へ、そのほかツマミの位置や操作方法も改造済です。その為、ご本人しか操作出来無いそうです(笑)。
アンリツをはじめとした測定器の数々。使い慣れたものが一番ですね。
手前の日本無線NRD-93A受信機は弊店の備品です。丁度整備して頂いております。
整備にはクリーニングが欠かせません。場所や症状によって様々な溶剤を選択します。特にタバコのヤニが厄介で、そんな時は希釈したアンモニア水がよく落ちます。
<インタビューを終えて>
駆け足のご紹介でしたが、如何だったでしょうか。将来的には修理の受付など、いろいろな構想があるのですが、まずは一歩一歩着実に、というところです。
皆さま、今後とも宜しくお願い致します。
インタビュー日 2016年4月30日弊社:高山(代表)